
福岡で医師専門の転職支援を行っています株式会社メディエイトワークスの山崎です。
医師の皆さんの転職をサポートする中で、様々なご家族の形、そしてその影響を目の当たりにします。中でも最近増えているのが、奥様が転職の意思決定に深く関与されるケースです。もちろん、ご夫婦でしっかり話し合い、納得の上で転職を進めることは素晴らしいことです。しかし、時にはそれが予期せぬ結果、特に早期退職に繋がってしまうこともあるのです。
「奥様マネージャー」の存在
「奥様がマネージャー」と聞くと、少しユーモラスに聞こえるかもしれません。しかし、実際に給与交渉から勤務条件の確認、さらには面接の同行まで、奥様が主導権を握って転職活動を進める医師は少なくありません。
特に、給与交渉においては、奥様が直接、私たち紹介会社や医療機関と金額の交渉に臨まれるケースも見受けられます。「夫は忙しいから」「夫は交渉事が苦手だから」といった理由から、奥様が前面に出て交渉されるのですが、ここに落とし穴があることも事実です。
早期退職に繋がるワケ
なぜ、奥様主導の転職が早期退職に繋がることがあるのでしょうか?主な理由は以下の点が考えられます。
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医師本人の納得度が低いままの決定: 給与面など、経済的な条件は奥様が交渉することで最大化されるかもしれません。しかし、医師本人が「この給与なら我慢できる」というレベルでしか納得していない場合、実際に働き始めてからのミスマッチが生じやすくなります。仕事内容、人間関係、職場の雰囲気など、給与だけでは測れない部分での不満が蓄積し、結局長く続かないという事態に陥ります。
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理想と現実のギャップ: 奥様が立てた「理想の職場像」が、実際の医療機関の状況と乖離しているケースです。たとえば、「残業なし」を強く希望され、その条件で入職したものの、実際は突発的な対応や緊急オペなどで残業が発生。奥様は「話が違う」と感じ、それが医師本人にもプレッシャーとなって、退職を促してしまうこともあります。
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医師の「逃げ道」になってしまう可能性: 極端なケースですが、「奥さんが決めたことだから」という理由で、医師本人が困難な状況に直面した際に、それを乗り越えようとする意欲が希薄になってしまうことがあります。「奥さんが選んだ職場だから、合わなかったら辞めても仕方ない」という心理が働き、結果的に早期退職へと繋がりやすくなるのです。
大切なのは、医師ご自身の「納得」
もちろん、ご家族の意見は転職において非常に重要です。特に給与面や勤務地などは、ご家族の生活に直結する部分ですから、十分に話し合うべきでしょう。
しかし、最終的にその職場で働くのは医師ご自身です。私たち人材紹介会社が最も大切にしているのは、医師ご本人が、心からその職場に納得して入職することです。
給与交渉も大切ですが、それ以上に**「どんな医師になりたいか」「どんな環境で働きたいか」「どんなスキルを身につけたいか」**といった、医師ご自身のキャリアプランや価値観に基づいた選択が、長期的な活躍に繋がる鍵となります。
まとめ
医師の転職は、人生における大きな転機です。ご家族との協力は不可欠ですが、最終的な意思決定においては、医師ご自身が納得し、責任を持って選択することが何よりも重要です。
もし、転職活動でご家族との意見のすり合わせに悩んだり、奥様との関係性で不安を感じたりすることがあれば、ぜひ一度、メディエイトワークスにご相談ください。医師ご本人、そしてご家族皆さんが納得できる、最良の道を見つけるお手伝いをさせていただきます。