転職支援、表舞台の裏側。ある医師の面接キャンセルから考えたこと

福岡で医師の転職支援を行っています株式会社メディエイトワークスの山崎です。

今日は、転職支援の仕事における、少しばかりシビアな一面についてお話ししたいと思います。

先日、ある先生が面接をキャンセルされました。正直に言いますと、私は「ああ、やっぱりな」と、どこかで納得している自分がいました。その先生は、経歴だけ見ると確かに立派で、経験も豊富です。しかし、私がご支援できる求人は、残念ながらほとんどありませんでした。

先生は転職理由を「キャリアアップのため」とおっしゃっていましたが、面談を重ねるうちに、私はある疑念を抱くようになりました。日中の面談にも関わらず、強いアルコール臭がしたのです。

「もしかして、これが原因で退職を繰り返しているのではないか?」

ご本人は決して認めませんが、以前の職場の同僚からの情報なども総合的に考えると、その可能性が濃厚でした。

テレビドラマの主人公は「私なら紹介が可能だ!」と、熱い言葉で道を切り開いてくれるのかもしれません。私もかつては、どんなに困難な状況でも、希望さえあれば何とかしてあげたいと強く思っていました。

もしこのまま面接に進み、運良く採用になったとしても、同じ理由で再び退職することになるでしょう。そうなれば、ご紹介先の医療機関にも多大な迷惑をかけてしまいます。私たちの仕事は、単に求人を紹介しておしまいではありません。転職後の先生が新しい職場で長く活躍し、医療機関に貢献していく未来まで見据える責任があるのです。

最終的に私は、先生へのご支援を断念するという苦渋の決断をしました。それは決して、無責任なことではないと信じています。

「キャリアに寄り添う伴奏者」

この言葉を掲げるからこそ、目の前の状況から逃げず、時には厳しい判断を下す勇気を持つ。それが私たちのプロフェッショナルとしての責任だと、改めて胸に刻んだ出来事でした。

これからも、私たちは医療従事者の皆様のキャリアに真摯に向き合ってまいります。